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'03-'04 27万画素小型CCDカメラのベストバイ決定!!

●27万画素CCDもすてたもんじゃない・・・・目を見張る小型27万画素CCDカメラの高性能化

 今回取り上げたこの3機種(KPC-S20CBAVC-666SFKPC-S700CB)は、画質面だけでいえば数年前のアナログビデオカメラの映像を部分的に凌ぐ面さえのぞかせる。もちろん、これらの小型CCDカメラは撮像素子が27万画素で、普段使っている一般的なハンディカムの41万画素から比べるとスペック的にはかなり見劣りする印象はあるが、それにしてもこの3機種はかなり強力で、総画素68万(もちろん動画は34万)画素を有するSONY DCR-TRV22Kにも、果敢に勝負を挑むことができた。

 

 今回は、新型のKPC-S700CBを含めて、27万画素の高画質機の3機種を、カメラの優劣を決めるのに最も重要と思われる画質面にフォーカスをあてて比較してみたいと思う。比較対象には、先にも上がった、単板式64万画素CCD搭載のビデオカムコーダー、ソニーハンディーカムDCR-TRV22Kを用いた。さすがに、その差は歴然だが、27万画素の限界かと思わせる画質をたたき出す3機種の健闘ぶりを、ご覧いただきたいと思う。


●高画質の共通キーワードはSONY製Super HAD CCD
※高画質27万画素小型CCDカメラの挑戦を受けて立つSONY DCR-TRV22K。総画素64万のCCDの採用やカールツァイス製ビデオレンズの搭載などスペックは豪華だ。
 

 発売以来約1年以上経過しているが27万画素クラスのいまだに上位に君臨するAVC-666SF。最新のDSPを搭載し、そのずば抜けた描写力で鮮鋭感抜群のKPC-S20CB。そして、さらに精細感、立体感が加味された上位機種のKPC-S700CB・・・。

 27万画素ながら、いままでの小型CCDカメラの常識を覆すほどの目を見張る画質の向上を果たしたこの3機種に共通するものはいずれもソニー製のSuper HAD CCDなる撮像素子(AVC-666SFは発売時期もありSONY製ではあるがSuper HADではない)を搭載していることだ。この27万画素クラス小型カメラというくくりのなかで他のモデルを圧倒するこの3機種のベストバイを実写を通して決めてみようということである。

 以下に、4パターンの実写キャプチャー画像を掲載した。被写体はおなじみの造花モミジ、テスト用果物チャート、解像度や歪みなどの基本的性能の判断基準になるIEEE準拠の解像度チャートである。そして最後にこれらの机上の結果が実際の実写にどう影響するのかということで風景画像も掲載している。早速、ご覧いただき、ベストバイを決めてみよう。


●造花モミジのキャプチャー画像

 まずは、造花のモミジである。シンプルな被写体でありながら撮影機器として苦手な赤みを中心とした要素や、葉が色ずく過程の微妙なグラデーションをどう立体的に表現できるかをポイントに見てみたいと思う。いずれもそれほど厭味のない自然さを出しており色再現や解像感もそこそこ表現できている。鮮鋭感もまずまずでなかなか高いレベルにあり、3機種とも印象は好ましい。

 

 色も濃く全体的に適度な色合いが表現できている。同系色で重なっている葉も描き分け、グラデーションの表現もまずまずだ。ただ、濃い目に描画する性格が災いし、被写体の素材の濃度が濃い部分は階調が飽和しぎみで質感がやや不足する。

 高感度・高画質を売りにして登場したロングセラーモデル。事実全体的に必要以上に明るく描画する。また、輪郭は強調気味にし鮮鋭感を演出する。被写体によってはギラギラ感が出るかもしれない。色の同系色の部分の重なりの再現性は少し辛くなり、境界が甘く判別ができなくなっている。

 

 全体としてやや明るめに描画するが、精細感は保っている。また、3機種中オリジナルに一番近い色合いが再現できていて、素材の同系色部分の濃淡の階調表現もトップである。S20CBと全くの同回路系なのに違いが現れたのはCCDサイズの変更によるものだろう。

 特に強い輪郭強調もなく、階調も細部まで見て取れる。メーカー製ビデオカメラとしては少々物足りなさを感じはするが、やはり41万画素だけあり情報量は小型カメラ3機種の追随を許さない。ただ、解像度以外の部分では、それほど大きな差をつけることができていないのは、TRV22Kを責めるのではなく、小型3機種の画質向上が目覚ましいのだ。

 

 この小型カメラ3機種が搭載する撮像系はSONYのDCR-TRV22Kに比してあらゆる部分で決して有利とはいえない。撮像素子は総画素64万に対して27万、かたやその傑出した光学性能を誇るカールツァイスの名を冠したビデオレンズに対するは、お世辞にも完成度が高いとはいえないミニレンズ。また大型1/3型CCDを採用するTRV22KとKPC-S700CBこそ同サイズのCCDを採用するが、1/4型と小型になっている。そういう意味において差が出て当然であり、また差がなければTRV22Kの存在意義は何だろうかとなってしまう。35mmコンパクトフィルムカメラで中判一眼レフカメラに挑むようなものだ。だから、決して超えられない部分は厳然として存在し、超えられようはずもないのである。だが然し、コンパクトフィルムカメラで撮ったスナップ写真が時として、中判カメラで撮影した作品を超える時もあるだろうし、中判一眼レフカメラで撮れば誰でもがきれいな写真が取れるわけでもないだろう。然しこれは、イマジネーションの問題でありテクニークの問題である。要は、この3機種がたとえるなら、使い捨てコンパクトカメラ程度だったものが、撮ろうという意思のもとにきちんと換えのフィルムも準備して携帯して持っていけるコンパクトカメラまで格上げされたと言い切れるものを筆者が感じたからにほかならず、画作りの道具としてそこそこのレベルに達したからに他ならないのだ。

 別の項でも述べたが、筆者のひとつの指標として、ハンディカム程度の画質が出ていれば高画質としようという考え方に準じて評価させてもらったのだ。だから、そういう意味においてDCR-TRV22Kに及んでいないのは、画素数の違いやレンズの違い(もちろんコスト面もあろう)が結果となって出ているのだ。結局のところ、高画質とは情報量の違いに他ならず41万画素は27万画素と数値的には1.5倍も違うのである。まさに、中判カメラと35mmカメラとの比較の譬えなのである。


●果物チャートのキャプチャー画像

 さあ今度はカメラには非常に厳しいいろんな色が入り混じりあう果物チャートだ。色と色の干渉や強い色に引っ張られてニセ色(階調や色再現は自然か)が出ていないか、不自然な輪郭強調はないか等々、興味深いところだ。よく、ご覧いただきたい。

 

 色つき色合いは好ましいが、全体として輪郭強調がかかりメロン表面にやや破綻がのぞくが全体としてうまく鮮鋭感につなげている。オレンジ表面の切り口もオリジンに近いみずみずしさが出ている。

 このカメラも輪郭強調がかかり全体としてやや硬い印象になっている。メロン表面のデジタル処理の破綻もS20CBより多く出てしまっている。個所によっては色つき色合いは優れ、輪郭強調もシャープネス、鮮鋭感に転じ、全体としてこのシーンでは印象は悪くはない。価格も一番安くお買い得か。売れているのがうなずける。

 

 前2機種と比すると輪郭強調が一番緩和されている。鮮鋭感を失うことなく硬い感じが払拭された印象だ。自然な質感が表現されている。ただ、メロン表面のニセ色はなくなっていない。中央上の青い花を包む透明のセロハンが壁と同化することなくセロハンの質感を残しながら壁と描き分けている。まともなレンズで勝負してみたい欲求に駆られる。

 このカメラはオートホワイトの性能が蛍光灯下での撮影では屋外モードにふられる傾向がある。その部分をのぞけは前3機種を圧倒する表現力だ。色のりや精細感、質感が勝り前3機種が太刀打ちできない立体感を表現する。メロン表面のノイズは消え、パンは蝋細工のようなパンから本物のパンへと変わり、右上の緑の葉の固まりも奥行きがあり見事だ。

 

 この画の結果からも、SONYのTRV-22Kの結果が一番良い。質感と立体感があり、ナチュラルに描画し表現が一番豊かだ。特にメロンの表面は小型カメラの全3機種ともニセ色が乗り出すがTRV22Kは一番少なく重量感まで伝わってくるし、蝋細工のように描画されていたパンもTRV22Kは本物のパンとして蘇生させている。上でも述べたように、結局、画素数の違いからくる情報量の違いとコスト面での補色型CCD採用による演算精度の違いで差をつけられたといったところだろうか。が、それ以外の部分に目を向けてみればこの3機種が、見るからに劣っているというわけではまったくなく、DCR-TRV22Kと比較されて厳しく評価をされてはいるが、それぞれの画質は大きく進化し充分納得の行くものだ。ここまで向上すれば、画作りの道具として充分満足のいく役割を担うことができるという確信も得ることができただろう。そして、いままでハンディカムでは取れなかった撮影スタイルを提供してくれるだろうし、作品を手がける上でも無限のイマジネーションをクリエーターにもたらしてくれるだろう。


●解像度チャート

 いままでの実写サンプルを評価する上で小型カメラ3機種がDCR-TRV22Kとの決定的な違いとして、しばしば画素数が登場した。このTRV-22Kを超えられない要素の画素数、総画素64万(DV有効画素は34万)画素と27万(有効は25万)画素の実際の画素数による解像度の違いを解像度チャートで見てみることにしよう。解像度チャートのキャプチャー画像を掲載する。

 

 中心部で320TV本程度で周辺部で300TV本程度といったところ。レンズ性能はあまり良いとは言えず周辺部の解像度の劣化はレンズそのものの劣化だろう。

 こちらも、同じ程度で中心部320TV本、周辺部300TV本程度。やはり、レンズそのものの描画能力が反映されている。

 

 これも同じで中心部が320TV本程度、周辺部が300TV本程度。これもミニレンズ自体の性能の反映だ。

 こちらは前3機種と違いかなり解像度は上がっている。中心部は380TV本程度、周辺部は400TV本に届く勢いだ。

 

※不可解なのはTRV22Kの解像度だ。中心部でも400TV本をクリアできていないのである。何度計測しても同じ結果だ。これがカールツァイス? と、疑いたくなる。正直、TRV22Kはかなり格安の部類だがコスト面の反映だろうか。世界のSONYよ、しっかりしろ・・・・


●標準装備のレンズによる日中屋外の撮影キャプチャー画像

 いままでは比較の都合上、画角を合わせて(それぞれレンズを換装して)撮影をおこなってきたが、最後のサンプル映像はカメラに標準で搭載されているレンズで行った。したがって、それぞれに付属するf3.6mm/F2.0レンズでは1/3型を採用するKPC-S700CBが画角がいちばん広くなる。広がったことにより条件が一番不利になることが予想される。逆に、DCR-TRV22Kはワイド側で引きが足りなくなるので、キャノン製の0.7倍のワイコンを装着した。これにより画角は、ちょうどKPC-S20CB及びAVC-666SFの中間くらいになった。以上の条件で撮影した正午前後の屋外風景画像のキャプチャー画が以下である。

 

 青々とした空も白飛びせず色が残り全体としてナチュラルに表現でき、生き生きとしている。この条件下ではデジタルノイズも抑えられ色つきもよく細部の鮮鋭感も充分だ。3機種中ダントツの描画能力を見せつけた。

 やはり、屋外での撮影ではやや力不足は否めない。オートホワイトバランスは不適切で、いたるところにデジタル処理の破綻が現れる。堤防の稜線はのっぺりとして質感が完全に失せている。最新鋭機と比べるのはやはり少し酷か。コスト面で割り切って購入したほうがよさそうだ。

 標準装備のf3.6mmレンズでは3機種のなかで最もワイドになり条件としては一番不利になる。立体感はまずまずだが、引きの代償として鮮鋭感はかなり不足してくる。屋内での撮影時の抜群のシャープ感がなく、一転してS20CBのほうがかなり好印象だ。ただ、完全に画角をS20CBに合わせられれば(現状のミニレンズのライイアップでは不可能)おそらく結果はもっと良好であろう。それにしてもこのワイド感は強烈で、左下の甘くなった画像はレンズの非力さによる像の流れだ。

 これが今回のレファレンスとしたDCR-TRV22Kの映像だ。ワイコンを装着したとはいえ色のり色つき、鮮鋭感や立体感など全てで他を寄せ付けない。コストの違いを見せつけた感じだ。


●まとめ・・・・

 今回のテストの結果として、この3機種の三つ巴の対決の結果を制し、'03-'04のベストバイは、僅差ではあるがKPC-S700CBとしたい。

 AVC-666SFは、やはりその発売時期を考えると最新のSONY製チップと比するといささか古さが露呈するのはいたしかたのないことか。逆に最新のチップを搭載するKPC-S20CBは、シャープな描画が特徴でかなり鮮鋭感を感じさせ、結果として派手めに描画する印象を与え、インパクトも強い。そしてKPC-S700CBはS20CBの1/4型CCDを1/3型CCDと大型にし、S20CBで場面によって時折現れていたデジタル処理から発生するノイズ(場面によっては鮮鋭感やシャープネスにもつながっている。上記の風景キャプチャー画が良い例だろう)などもかなり抑えられていて、より自然でニュートラルな世界を描き出す印象だ。1/3型のCCDの採用で細部に余裕が出てきたのだろう。もちろん、S20CBの画を好む人もいると思うし、両者の描き出す画は、好みの問題にもなってくるのかも知れない。それだけ拮抗しているのだ。ただ、より厳しい条件下では差が必ず現れてくるだろうし、画素数が同じなら画素ピッチの広い大型のCCDが有利に決まっているからだ。

 正直、筆者は画作りとして撮る道具は、27万画素はどうだろうか?とずっと思っていたし、実際満足できるほどの画質を持ったカメラもなかった。無理をしてでも高額な41万画素タイプから選択していた。然し、ここまで画質があがってくると、ポイント的な使用であれば充分作品に生かせる手ごたえを感じた。41万画素タイプがまだそこそこ高価であることを考えると、選択肢のひとつとして充分存在価値が出てくると思うし、価格もこなれていてコストパフォーマンスも非常に高いと思う。今回、ベストバイということでKPC-S700CBを選定させてもらったが、KPC-S20CBとは本当に拮抗していた。KPC-S20CBは撮影条件に比較的左右のされないバランスの取れた撮影ができる安心して使用できるカメラだ。このあたりを踏まえてS700CBとS20CBをチョイスすればよいだろう。現時点での価格差は4,000円だ。KPC-S20CBは唯一、マイク非搭載である。


※掲載に使用した画像のキャプチャリング方法

各カメラのコンポジット映像出力をカノープスADVC-50を介して、DVRaptor-RTにてPCにキャプチャリング。その映像を720×480にて静止画(JPEG)を生成し、それを掲載した。画像補正は一切行っていません。写真はKPC-S700CBのテスト風景。

 

※今回のテストに当たって、全ての機種においてレンズをf6.0mmに換装して行ったことをお断りしておく。AVC-666SF、KPC-S700CBはMinilens、KPC-S20CBはM9(エムキュー)レンズを使用した。


モデル KPC-S20CB AVC-666SF KPC-S700CB
イメージデバイス 1/4型Sony Super Had CCD 1/4型Sony CCD

1/3型Sony Super Had CCD

有効画素数

25万画素

標準レンズ f3.6mm
S/N比 45dB 48dB 45dB
最低被写体照度 1Lux/F2.0 1Lux/F2.0 0.5Lux/F1.2
標準照度 - - 1000LUX/F4.0(3,200°K)
オートゲインコントロール YES YES 0~30dB/41dB
オートホワイトバランス YES YES 2,100~8,000°K
シャッタースピード 1/60~1/100000sec AUTO 1/60~1/100000sec AUTO 1/60~1/100000sec AUTO
マイク NO YES YES
外寸 22(H)×22(W)×36.0(D)mm 30(H)×30(W)×20.5(D)mm

30(H)×30(W)×28.5(D)mm

重さ - 45g -

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