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RT-82N スケスケ
 

ミスター シースルRT-82N/75Lは、使い分けが決め手


 
赤外線 実験 2つのモデルが存在する赤外線撮影用のフィルターRT-82N/75L(ミスター・シースルー)について、実際の撮影を通して、その効果の程を検証してみようと思います。
最近のSONY製のビデオカメラのナイトショット機能に関しては、日中の(一定の光量を超えた)撮影時に露出オーバー(白トビ)となる仕組みになっているのをご存知の方も多いと思います。
もともと、明かりのない暗い状況での撮影を可能にするために装備されたナイト機能であり、日中昼間の赤外線撮影は想定していないというのがメーカーのコンセプトです。
ただ、この機能自体は非常に有益で、様々な分野へ多彩なアプリケーションを提供し、今まで非常に高価だった赤外線専用CCDカメラをあえて導入することなく安価な民生用のビデオカメラで赤外線撮影を可能にし、有益な使い道は無限に広がっていました。
常に先進の慧眼にて、この機能を搭載させてきたことにソニーらしさを感じます。いづれにしても、現状のナイトショット機能の現実を踏まえた上で、この2つの赤外線撮影用フィルターRT-82N、RT-75Lのどちらを選択したらよいのか、また両者の効果の違いは?などに焦点を当てて、実際にレポートしてみたいと思います。
今回実験に使用するビデオカメラは、SONYのナイトショット機能を搭載するDCR-TRV22Kを用意しました。
このレビューでは、RT-82N、RT-75Lの付替えによる実際の効果の違いや、赤外線撮影機能のナイトショットをONにしたときの露出オーバーをいかにして回避させ、白トビさせることなく赤外線撮影することができるかを、proND4及びND8の光量調整フィルーターを使用してレポートしてみたいと思います。
今回実験の被写体として使用した、女性用のMサイズのブラウスとラジオライフ。

●実験の条件
 
この製品レビューのレポートを作成するにおいて、使用した機材や撮影の様子は以下です。
また、それぞれのキャプチャー画像は、ハンディカムDCR-TRV22Kのコンポジット出力をDVRaptor-RTが組み込まれたPCにダイレクトに接続し、720×480の解像度にて静止画をbmp生成し200×133のサイズにリサイズしたものを掲載しています。リサイズ後は、JPEGです。
 
衣服の内側にセットする雑誌ラジオライフ誌の表紙。この表紙を、衣服の内側にセットします。 女性用ブラウスの繊維素材は、ポリウレタン16%とポリエステル84%の合成繊維製品です。繊維の色はダークな茶系で、通常の状態(肉眼)では、内に羽織っているほとんどのインナーの色は分かりません。 テスト用の5,900Kの500W級写真撮影用ライト。
 
赤外線フィルター RT-82Nをベースにした、赤外線映像の撮影風景。このハンディカムが捕らえた映像はAVケーブル(コンポジット)にてダイレクトにパソコンでキャプチャーしました。
DCR-TRV22Kに、30→37mmリングを介してRT-82NとND4,ND8とフィルターを3枚重ねししました。ナイトショット機能をONにしてのND4、ND8の効果はかなりてき面で、白とびすることなく見事に撮影可能。ライティングは500Wの照明用アイランプを1灯使用しています。もしNDフィルターを装着しないと真っ白な映像になってしまい、以下に掲載される実験2のような映像になってしまういます。
 

 
さっそく、以下に実験レポートを掲載するので、その効果、結果をじっくりと御覧いただきましょう。
 
まず最初、比較のためにハンディカムDCR-TRV22Kで、普通に撮影したオリジナル映像が右の写真です。
見ての通り、普通の映像で、まさか中にRLの表紙がセットされているとは誰も思わないでしょう。
とくに、このブラウスは、中のインナー類が肉眼では透けて見えにくいことを条件の一つとして購入してきたものでもあります。
撮影のための照明は、写真撮影用の500W級アイランプを1灯のみとし、色温度は5900Kです。
これはおよそ曇天の屋外くらいに相当(Luxではない)している。右に掲載するオリジナル映像がRTフィルターやproNDフィルター、そしてナイトショット機能を組合せて使用することで、どうなっていくかの変遷を見ていきましょう。
DCR-TRV22K通常のオリジナル映像

ブラウスの内には、RL誌の表紙がセットしてあるが、ノーマル撮影では全く分かりません。


●実験1: 照明光アイランプ1灯の時にRT-82N/75Lを装着した映像
 
ここでは撮影用ライトのアイランプでの下で、RT-82NとRT-75Lのフィルターのみをそれぞれ装着して撮影した画像です。
ナイトショット機能はOFF。RTフィルターを着けたことで可視光領域がカットされたぶん、DCR-TRV22Kでの撮影画像は真っ黒になることが予想されましたが、このTRV22KではRT-75Lの装着時は、ほんの僅かですが、うっすらと被写体のブラウスが浮き上がって写せているのが解ります。
さすがに、中にある雑誌ラジオライフの表紙は、この画像では確認できませんが、概ね予想通りの結果となりました。
そして、さらに条件が厳しくなるRT-82Nの装着画像も、衣服はうっすらと確認は可能であり、このDCR-TRV22Kは意外と赤外線領域に感度をもっていることが見て取れます。
 
RT-82Nを装着し照明は撮影ライトのみ RT-75Lを装着し照明は撮影ライトのみ
赤外線しか通さないはずのRT-82Nにもかかわらず、装着後も実際の映像にはうっすらとブラウスが映っています。これは、TRV22K自体が僅かに赤外線領域にも感度をもっているという証拠です。逆にいうと、この状態での映りの良いものが、赤外線撮影向きのビデオカメラということになるでしょう。
可視光領域を僅かに取り込む設計のRT-75L装着時の映像です。
このRT-75Lはその分RT-82Nのときよりも結果が良好で、鮮明に衣服の存在がはっきりし輪郭が際立ってきました。
 
 
●実験2: 上の実験1の条件に、カメラに搭載されているナイトショット機能をONにする
 
RT-82N装着、照明ランプ+ナイトショットON RT-75L装着、照明ランプ+ナイトショットON

実験1でTRV22Kに搭載されているナイトショット機能をONにした場合がこれです。
強烈に白トビが起きていますが、うっすらとラジオライフの表紙が浮き上がっています。
日中昼間の屋外では、この条件よりはるかに光量は比べ物にならないくらい強いことが予想され、更に白トビは激しくなるでしょう。
可視光領域を波長にして30nm分取り込む仕様のRT-75Lでは、ナイトショット機能を併用すると、照明用ライトが1灯にも拘らずさらに激しく白トビを起こし、画面は御覧のように真っ白になってしまいました
。この組合せでの屋外撮影は、非常に困難です。
 
ナイトショット機能は、ある一定以上の光量が存在した場合は、上のような現象になってしまい、回避は不可能で致命的です。
このままでは、ナイトショット機能をOFFにするしかないかも知れません。
ただ、RT-82Nでは、よほどの光量がないと思うような結果はまず得られないでしょう。
したがって、RT-75Lへの付替えの必要が出てくるかもしれません。
ただし、RT-75Lにて得られた画像が、露出も適正に調整さて見やすい映像になったとしても、ナイトショット機能をOFFにすることは、個体差はありますが、赤外線効果の完全に反映された映像とはなっていない可能性は非常に大きいです(下の結論参照)。
やはり、赤外線撮影はナイト機能のONは必須であると考えて望んだほうがよいでしょう。
 
●実験3: 実験2のときに照明用アイランプをオフにし、ナイトショット機能はONのまま
 
RT-82N装着、アイランプOFF+ナイトショットON RT-75L装着、アイランプOFF+ナイトショットON
実験2の条件で、照明用のアイランプのみを消灯。
撮影室はかなり暗くなります。
TRV22K本体に搭載されるたった1灯の赤外線LEDのみが肉眼では見えない照明光となります。
さすがに、ナイトショット機能の威力はすごく、CCDの色フィルターが取り除かれた効果が如実に見て取れます。
こちらは、RT-75L装着時の映像です。
見かけはこちらのほうがRT-82N装着時より効果は大きく、RT-75Lが可視光領域を僅かに取り込んでいる分、映像として見やすくなっています。
写真では解りませんが、RT-82Nの映像はゲインアップのためザラついていますが、こちらはノイズがありません。RT-75Lは室内向きのフィルターです。
 
さすがに、ナイトショット機能の威力はすごい。条件さえ合えばRT-82N/75Lの本来の効果をフルに引き出すことが可能で、見事な赤外線映像が出現する。
 
●実験4:光量の強い実験2の条件にてNDフィルターを装着する
 
ここからは、屋外を想定しナイトショット機能の使用時に露出オーバーになってしまう場合のケースについて、つまり実験2のようなケースについての対処法です。
その対応の一つとしてのproNDフィルター for RTを併用するという方法を取り上げてみたいと思います。
本当にナイトショットをONにしても白トビさせずに赤外線撮影が可能になるのかその効果には興味のあるところでしょう。
さっそく、proNDフィルターの効果を見てみましょう。
proNDフィルターとRT-82N/75Lとの絶妙のコラボレーション結果は、以下になります。

※撮影条件は実験2と同じで、500Wの照明用アイランプとナイトショット機能はともにONにしてあります。

 
RT-82N+ND4 照明ランプON+ナイトショットON RT-75L+ND4 照明ランプON+ナイトショットON
実験2の条件で、RT-82NにND4フィルターを装着。
適度に光量が絞られて胸部にあった白トビが見事になくなり、ノイズ感の少ない映像になっています。
RT-82Nの効果が非常に増しました。
こちらは、RT-75LにND4を装着。
あれだけ真っ白だった画面が、ここまで改善されてきました。
ほぼ、RT-82N単独の装着時と変わらないくらい光量が絞られた結果となりました。
 
RT-82N+ND4+ND8 照明ランプON+ナイトショットON RT-75L+ND4+ND8 照明ランプON+ナイトショットON
今度はRT-82NにND4フィルターを装着したまま、さらにND8を装着。
さらに光量が絞られるが、ビデオカメラ側がゲインを上げるためそれほど大きな差は出ませんが、RT-82N+ND4の場合より更に画面は暗くなります。
効果は変化なし。

こちらも同様に、更にND8を装着した映像です。
ND4だけの時ではまだ白トビが出ていたが、ND8を装着することでよりベターな結果が得られるようになり、非常に見やすい見事な赤外線映像が映し出された結果となりました。

   
●結論
 
ナイトショット機能併用時の日中屋外での撮影では激しく白トビを誘発しナイトショット機能が利用できない場合が多々あります。
その対処の一つとして、ナイト機能をOFFにして撮影を行うことで、ある程度の露出オーバーを防ぐことができます。
然し、赤外線の効果を考えると出来ればナイト機能はONが良いでしょう。
また、単純にRTフィルター装着時のナイト機能のONかOFFかの選択肢ではなく、基本は常時ナイト機能はONのままとし、proNDフィルターの付替えによる調整で望む方がより良い結果を生むということです。
また、proNDには複数枚用意することで、もう少し白トビを抑えたい、もう少し明るくしたいなどの微調整も可能になりきめの細かい撮影を可能にしてくれます。
特に、2絞りから微調整できるND4の存在は非常に大きいでしょう。
また、ND8を2枚重ねれば、何とND16に相当し、絞りにして4絞り分となります。
やはり、労を厭わずにRT-82N、75L、proND4、ND8をきっちりと使い分けることが重要で、好結果を生むカギとなるでしょう。
 
RT-82N或いは75Lを装着して、ナイトショット機能がOFFの時に得られた映像は、ナイト機能使用時のそれに比べると、個体差はありますがCCD撮像素子が固有に有する赤外線領域に感度が伸びている性質(ここが一番重要なのだが)を充分に活用することが出来ないというジレンマが発生してしまいます。
やはり、充分な効果が得たければナイトショット機能のONは必須です。下写真参照。
 
RT-75Lに白トビを回避するためにND8を装着してからナイトショット機能をONにした画像です。
ONにすることでIR領域まで感度が素直に伸び、好結果が得られています。
こちらは、ナイトショット機能をOFFにしてRT-75Lを装着した画像です。
ナイト機能をOFFにすると当然画面は真っ黒になってしまうので、左の画像とほぼ同じ条件にするために、500Wアイランプを4灯つかってここまで明るくしました。
やはり、CCD上の色フィルターが赤外線領域をカットしているため、僅かに、透けてはいるが左に比べ効果は薄いのが分かります。

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